道具にも、その先の海がある。10年使ったリールを友人に譲ることにした。

久しぶりに釣りに戻ってきた友人がいる。

昔から一緒に釣りをしてきた仲間で、カサゴやメバルなんかのライトゲームはやっていたけれど、エギングはまだやったことがない。

そんな友人と話しているうちに、今度は秋のアオリイカを狙ってみよう、という話になった。

ロッドは何がいいだろう。
バイク移動だからパックロッドが良さそうだ。

そんな話をしていて、ふと思い出したリールがあった。

目次

ラックの奥に眠っていた、16ナスキー

シマノの16ナスキー C3000。

もう10年近く前のモデルだ。

今の僕にはライトゲーム用のリールもあるし、少し強い釣りには別のリールがある。

だから最近、このナスキーの出番はほとんどなかった。

状態はかなり良いし、使わないなら売ってしまおうかな。

そんなことを考えていた。

でも、友人がエギングを始めるならちょうどいい。

確かPE1号くらいを巻いていたはずだし、C3000なら秋のエギングにも使いやすい。

「これ、あげようかな」

そう思って、久しぶりにラックの奥から取り出した。

久しぶりに回したら、少し惜しくなった

手に取って、ハンドルを回してみる。

……あれ?

こんなに巻き心地良かったっけ。

驚くくらい軽い。

10年近く前のリールなのに、今使っている新しいリールと比べても「古いな」とはあまり感じなかった。

むしろ、しばらく意味もなくハンドルを回してしまった。

そして正直に言えば、少しだけ後ろ髪を引かれた。

これだけ状態が良いなら、取っておいてもいいんじゃないか。

いつかまた使うことがあるかもしれない。

釣具を整理しようとすると、だいたいこうなる。

だから増えるんだろうな(笑)

それでも、使ってもらえる方がいい

しばらくナスキーを眺めながら考えた。

僕の手元に置いておけば、たぶんこれからもラックの奥にいる。

壊れることもない。

傷が増えることもない。

でも、海へ行くこともない。

それなら、久しぶりに釣りに戻ってきた友人に使ってもらった方がいい。

これから初めてエギを投げて、初めてアオリイカを狙う人のリールになる。

そう考えたら、少し惜しいと思っていた気持ちが、少しずつ楽しみに変わってきた。

できれば、最初の一杯を

近いうちに、一緒にアオリイカを狙いに行く予定だ。

まだロッドも決まっていないし、本当に釣れるかどうかも分からない。

でも、できることなら。

このナスキーで、友人に最初の一杯を釣ってほしい。

僕が使っていた頃とは違うロッドに付いて、違う人がハンドルを握って、また海へ行く。

そこでアオリイカを掛けてくれたら、きっと僕も嬉しい。

売って得られる金額とは、たぶん違うものが残ると思う。

道具にも、その先の海がある

釣具は、使えば傷がつく。

海水をかぶるし、砂もつく。

いつか壊れる日だって来る。

だから大切な道具ほど、きれいに残しておきたいと思うこともある。

でも今日、久しぶりにこのリールを手に取って思った。

道具にとって一番いいのは、もしかすると、きれいなままラックに並んでいることではないのかもしれない。

僕の釣具ラックから、ひとつリールがなくなる。

少しだけ寂しい。

久しぶりにハンドルを回してみたら、なおさらそう思った。

でも次は、友人のロッドに付いて、また海へ向かう。

もしかしたら、彼にとって初めてのアオリイカを連れてきてくれるかもしれない。

道具にも、その先の海がある。

その先がどんな海になるのか。

今は、それを少し楽しみにしている。

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この記事を書いた人

神奈川の海を中心に、メバリング・ハタ釣り・ショアジギングを楽しんでいます。

釣果だけでなく、海で過ごした時間や景色、感じたことまで残したくて「海の帰り道」を運営中。

実際の釣行や長年使ってきた道具の経験をもとに、初心者にも分かりやすい釣り情報を発信しています。

釣れた日も、釣れなかった日も。

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