メバリングの記事を書きながら、ふと自分が使っているロッドのスペックを見返した。
ゼスタの「BLACK STAR 2nd GENERATION MOBILE S74 MULTI TRIPPER」。
もう長いこと使っている、僕のメバリングの相棒だ。
0.8gや1gのジグヘッドを気持ちよく扱えることも、魚を掛ければ綺麗に曲がってくれることも、もちろん知っている。
でも、改めてスペックを見ていて、ある数字で手が止まった。
適合ルアー、0.4〜15g。
……15g?
普段0.8〜1.5gのジグ単を使っている、このロッドで?
そう思って、他の数字も改めて見てみる。
全長7’4″。5ピース。仕舞寸法53cm。自重93g。PE0.2〜1.0号。
……これ、結構すごいロッドなんじゃないか。
そして同時に、ひとつの不安が頭をよぎった。
「もし、こいつが折れたら……次、何を使えばいいんだ?」

ずっと欲しかったロッドを、奥さんがプレゼントしてくれた
このロッドは、自分で買ったものではない。
まだ奥さんと付き合っていた頃、クリスマスにプレゼントしてもらったものだ。
何が欲しいか聞かれたとき、真っ先に浮かんだのがMulti Tripperだった。
当時から、何度も商品ページを眺めていた。
ただ、販売価格は確か3万円台後半。
自分で買うにも少し勇気がいる値段だったし、一度プレゼント候補として一緒に商品ページを見たものの、僕の方から「やっぱり高いし、他ので探そうかな」と遠慮した。
それでも僕は、また商品ページを見ていたらしい。
そんな僕を見て、奥さんが言ってくれた。
「これにしよう。普段頑張ってるし、本当に欲しそうだから」
初めて手にしたときのことは、今でも覚えている。
まず、単純に格好よかった。
カーボンシートに触れたときの、少しざらっとした感触。
持った瞬間に感じた軽さ。
それだけで、かなり心が躍った。

そして今でもこのロッドを手にすると、あのときの嬉しさと一緒に、プレゼントしてくれた奥さんへの感謝を思い出す。
0.8gを感じられて、大きな魚には綺麗に曲がる
もちろん、思い出だけで使い続けているわけではない。
実際に使ってみても、本当にいいロッドだった。
キャストしたときの、空気を切る綺麗な音。
0.8gや1gのジグヘッドでも、その重みをしっかり感じ取れるロッドバランス。
小さなアタリを手元まで伝えてくれる感度。
そして、大きな魚を掛けたときに見せる綺麗なベントカーブ。
僕のメバリングでは0.8〜1.5gのジグ単が中心だけれど、メバル用のプラグや3〜7g程度のメタルジグも使ってきた。
メバル以外にも、アジ、セイゴ、カサゴ。
60cmほどのタチウオや、50cmほどのカレイを掛けたこともある。
この2匹は最後の抜き上げでラインブレイクしてしまったけれど、寄せるまでのやり取りでロッドに不安を感じた記憶はない。
札幌への出張にも、このロッドを持っていった。
40cm近いクロソイを掛け、堤防から抜き上げたこともある。

そういえば、札幌でこのロッドを出した日は一度も坊主がなかった。
53cmまで小さくなって、スーツケースに入る。
それでいて旅先では、ちゃんと一本のライトゲームロッドとして魚と向き合える。
それが僕にとってのMulti Tripperだった。
長年使って感じる不満は、「替えが効かないこと」くらい
ここまで長く使っていれば、ひとつくらい不満が出てきてもよさそうなものだ。
でも、考えてみても本当に思いつかない。
強いて挙げるなら、ひとつだけ。
もう、替えが効かないこと。
Multi Tripperはすでに廃番になっている。
大切に扱っているし、今のところ壊れる気配もない。
それでも今回、0.4〜15gという数字を改めて見たことで、ふと不安になった。
もし、こいつが折れたら。
同じようなロッドは、今でも買えるんだろうか。
そこで2026年現在、Multi Tripperの代わりになりそうなパックロッドを探してみることにした。
僕が「代わり」に求めた条件
今回探したのは、単に軽くて持ち運べるロッドではない。
特に外せないのが、
0.8gのジグヘッドをメバリングで扱えること。
ここは1gではなく、0.8g。
僕が実際にMulti Tripperで長年使ってきた重さだからだ。
そのうえで、
- 7ft前後
- パックロッドであること
- 仕舞寸法50cm前後
- できれば100g前後の軽さ
- 軽量ジグ単だけでなく、ある程度重いルアーにも対応できること
このあたりを条件にした。
欲を言えば、Multi Tripperと同じように15g付近まで背負えたら理想的だ。
ところが、探してみるとこれが意外なほど難しかった。
2026年、Multi Tripperの代わりを探してみた
ロッドの使用感は、スペック表だけでは分からない。
ここから挙げるロッドは僕自身が実釣で比較したものではなく、メーカー公表値をもとに「もし今、Multi Tripperが使えなくなったら」という視点で探した候補だ。
| モデル | 全長 | ルアー | 仕舞 | 自重 | 0.8g |
|---|---|---|---|---|---|
| Multi Tripper S74 | 7’4″ | 0.4〜15g | 53cm | 93g | ◎ 実釣使用 |
| BACKPACKER BAK1-704UL | 7’0″ | 0.5〜10g | 57cm | 89g | ○ 公称範囲内 |
| MOBILE PACK 746TUL | 7’4″ | 1〜6g | 46cm | 102g | △ 公称範囲外 |
| OUTBACK BEYOND S756L | 7’5″ | MAX21g | 49cm | 107g | ? 下限非公表 |
※「0.8g」はメーカー公表値を基準に判定。Multi Tripperのみ、僕自身が0.8gのジグヘッドを長年実釣で使用してきた経験によるものです。
一番近く感じた、Major Craft BACKPACKER BAK1-704UL
現行モデルで一番気になったのが、メジャークラフトのBACKPACKER BAK1-704UL。
7’0″、4ピース、自重89g、仕舞寸法57cm。
ルアーウェイトは0.5〜10gで、メーカーもライトゲーム・ロックフィッシュ向けとしている。
今回絶対条件にした0.8gも公称範囲内。
もし今、新しいパックロッドを一本選ばなければならないなら、かなり有力な候補になる。
ただ、ルアーウェイトの上限は10g。
Multi Tripperの0.4〜15gと比べると、上側の守備範囲を少し手放すことになる。
DAIWA MOBILE PACK 746TULは携帯性が魅力。でも……
DAIWA MOBILE PACK 746TULは7’4″で、仕舞寸法46cm。
長さと携帯性はかなり魅力的だ。
ただし、適合ルアーは1〜6g。
実際に0.8gを扱えるかどうかは、使っていない僕には分からない。
少なくともメーカー公表値では、今回絶対条件にした0.8gは範囲外になる。
OUTBACK BEYOND S756Lは上側が面白い
tailwalk OUTBACK BEYOND S756Lは7’5″、仕舞寸法49cm、自重107g。ルアーはMAX21g。
上側の余裕まで考えると面白い一本だ。
一方で、公表スペックにはルアーウェイトの下限が記載されていない。
だから「0.8gも快適に使える」とは言えない。
今回の条件では、気になるけれど判定保留となった。
パックロッドを諦めれば、かなり近いものはある
調べていて面白かったのが、現行BLACK STARのS74ML-Tだった。
7’4″、自重63g、適合ルアー0.8〜12g。
数字だけ見た瞬間、
「これじゃん」
と思った。
でも、2ピースで仕舞寸法は115cm。
普通のライトゲームロッドとして考えれば、もちろん何の問題もない。
でも僕が探していたのは、単に7’4″で0.8gを扱えるロッドではなかった。
スーツケースに入れて札幌まで連れていけることも含めて、Multi Tripperだった。
パックロッドに限定せず、これからメバリングを始める人がロッド・リール・ラインをどう組み合わせるかについては、こちらの記事でまとめています。
▶ メバリングのタックル選び|初心者向けロッド・リール・ラインの基本
何かを残すと、何かが少しだけ足りない
調べれば、いいロッドはいくつも見つかった。
0.8g前後を扱えるもの。
15g以上まで背負えるもの。
50cmを切るほどコンパクトになるもの。
でも、
軽量ジグ単を扱えて。
7ftクラスで。
100gを切るくらい軽くて。
50cm程度に収まって。
それでいて15gまで背負える。
その全部を求めると、僕が調べた範囲ではMulti Tripperと同じ一本には辿り着けなかった。
そこで改めて思った。
「お前、そんなにすごいロッドだったのか。」
いいロッドなのは、もちろん知っていた。
でも現行のロッドと比べてみて、改めてその凄さを別の角度から知った。
それが少し嬉しくて、長く使ってきた相棒をちょっと誇らしく思った。
そして同時に、もう同じ一本を買えないことが急に怖くなった。
もしかしたら、どこかのショップに新品が残っているんじゃないか。
そう思って、しばらくネットを検索しまくった。
でも、見つけることはできなかった。
まだ、このロッドとの釣りは終わっていない
このロッドを僕にとって何と呼べばいいのか、うまく言葉にできない。
相棒でもある。
宝物でもある。
奥さんとの思い出でもある。
たぶん感覚として一番近いのは、子供の頃のお気に入りのおもちゃだ。
どこへ行くにも持っていきたかった、あの感じ。
大人になった僕は、このロッドを札幌への出張にまで持っていった。
海へ行くなら、一緒に連れていきたい。
そんな一本だ。
そして、このロッドにはまだ続きがある。
僕にとって忘れられない、幻の尺メバル。
一度は手にしたと思った魚が、ほんの一瞬で海へ帰っていった。
あの魚の記憶があるから、今もこのロッドでメバルを追いかけているのかもしれない。
悔しさは、今も残っている。
だから、このロッドを見ると思う。
「今度は絶対、獲らせてやるからな。」
代わりを探してみた。
でも今のところ、僕にとってこのロッドに代わる一本はいなかった。
まだ現役だ。
だったら、今まで以上に大切に使えばいい。
これまでありがとう。
そして、これからもよろしく。
まだ一緒に、獲りたい魚がいる。


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