ハタが釣れた。
サイズも十分。今日はこの一匹を持って帰って食べよう。
そんなとき、意外と迷うのが「このあと魚をどうすればいいのか」です。
締めた方がいいのか。
血抜きは必要なのか。
氷に直接入れていいのか。
僕自身、釣りを始めた頃は魚を釣ることばかり考えていて、釣った後の扱いについては後から少しずつ覚えてきました。
でも、持ち帰って食べるなら、釣った瞬間から「どう持ち帰るか」も釣りの一部です。
まず大まかに言えば、持ち帰ると決めた魚はできるだけ早く処理し、速やかに冷やして、その低い温度を家まで保つ。これが基本になります。
この記事では、キジハタ・アカハタなどのハタを持ち帰るときに知っておきたい、締め方・血抜き・冷やし方・クーラーボックスへの入れ方まで、基本的な流れを整理します。

キジハタ・アカハタを持ち帰る基本の流れ
最初に全体の流れを整理すると、僕は次のように考えています。
- 持ち帰る魚かどうかを決める
- 持ち帰るならできるだけ早く締める
- 必要に応じて血抜きをする
- できるだけ早く魚体を冷やす
- 冷えた状態を保って家まで持ち帰る
細かな締め方や血抜きの方法にはいろいろありますが、まず大切なのは「釣った魚を長時間そのまま放置しないこと」です。
特に気温の高い時期は、魚が釣れてから冷やす方法を考えるのではなく、釣り場に着いた時点から魚を冷やせる準備をしておきたいところです。
まず「持ち帰る魚か」を決める
魚が釣れたら、すべて持ち帰る必要はありません。
小さな魚や食べる予定のない魚は、魚体へのダメージをできるだけ抑えながら早めにリリースするという選択肢があります。
また、釣り場や地域によって採捕に関するルールが設定されている場合もあるため、釣行前にはその地域のルールを確認しておきましょう。
僕も「釣れたから全部持って帰る」ではなく、その日に食べる量や魚のサイズを見ながら考えるようにしています。
持ち帰ると決めた魚は、ここからできるだけ丁寧に扱います。
持ち帰るハタはできるだけ早く締める
持ち帰ると決めたら、魚をそのまま長時間弱らせるのではなく、できるだけ早く締めます。
釣り人が行う方法のひとつが、締め具やピックなどを使って魚を締める方法です。
ハタは棘のある魚でもあるため、暴れている魚を素手で無理に押さえ込まず、フィッシュグリップなども使いながら安全に作業します。
また、刃物やピックを使う作業なので、足場の悪い場所や波をかぶる場所で無理に行わないことも大切です。
締め具は「魚が釣れてから必要になる道具」なので、持ち帰る可能性がある日は最初から取り出せる場所へ入れておくと慌てずに済みます。
血抜きはどうする?
持ち帰って食べる魚では、締めたあとに血抜きをする方法もよく使われます。
一般的にはエラ周辺の血管などを切り、海水などを利用しながら血を抜いていきます。
ただし、血抜きには魚種やサイズによってさまざまな方法があります。
「何分やれば絶対に正解」「この場所を切ればすべての魚で完璧」というものとして考えるより、魚を持ち帰る処理のひとつとして覚えておくのがいいと思います。
そして血抜きをする場合も、そのまま長時間放置せず、処理が終わったら速やかに冷やすことを意識します。
一番意識したいのは「できるだけ早く冷やす」こと
釣った魚を持ち帰るとき、特に大切にしたいのが温度管理です。
水産研究・教育機構による漁獲物の鮮度保持に関する研究でも、漁獲後の冷却方法によって魚体中心温度の下がり方には違いがあることが報告されています。
つまり「クーラーボックスに入れたから大丈夫」ではなく、中の魚がしっかり冷える状態を作ることが重要です。
特に夏の釣りでは、釣り場の気温だけでなく魚体の温度も上がりやすいため、氷や保冷剤は釣行前から準備しておきたいところです。
氷だけ?海水氷?魚の冷やし方
釣り場で魚を冷やす方法として使いやすいのが、クーラーボックスに氷や保冷剤を入れておく方法です。
さらに素早く魚体を冷やしたい場合には、氷と海水を組み合わせて冷たい水を作り、その中で魚を冷やす方法もあります。
水が魚体全体に触れるため冷却しやすく、水産分野でも水氷やスラリーアイスを利用した鮮度保持が研究されています。
ただし、長時間の持ち帰り方や魚の保存状態まで含めると、単に「海水と氷にずっと漬けておけばいい」と考える必要はありません。
まず魚体をしっかり冷やし、その後も低温を保った状態で持ち帰る。
僕はこの二段階で考えると分かりやすいと思っています。
クーラーボックスには釣りを始める前から氷を入れておく
魚が釣れてからコンビニへ氷を買いに行く。
これでも何もないよりはいいですが、持ち帰る可能性があるなら最初からクーラーボックスに氷や保冷剤を用意しておく方が安心です。
クーラーボックスは魚を入れる箱というより、「低い温度を作って、それを維持するための箱」と考えると分かりやすいと思います。
ハタを持ち帰る目的なら、価格や見た目だけではなく、持ち帰る魚が収まる大きさ・必要な氷を入れられる容量・釣行時間に合わせた保冷力を基準に考えたいところです。
大きすぎれば持ち運びが大変になりますし、小さすぎれば良いサイズの魚が釣れたときに困ります。自分が普段行く釣り場や、狙っている魚のサイズまで考えて選ぶと無駄が少なくなります。
特にハタ狙いでは思いがけず良いサイズが釣れることもあります。
その一匹が釣れてから慌てないように、魚を持ち帰れる準備までして海へ向かいたいところです。
魚を氷に直接触れさせる?
ここも釣り人によって方法が分かれるところです。
魚を袋に入れて氷や保冷剤で冷やす方法もあれば、短時間で冷やすために冷たい海水を利用する方法もあります。
大切なのは方法をひとつに決めつけることではなく、魚体全体を速やかに冷やし、その後も低温を保つことです。
家まで長時間かかる場合は特に、途中で氷が完全に溶けて魚がぬるい状態にならないよう、氷の量にも余裕を持たせます。
夏は魚だけでなく自分のためにも氷を残しておく
これは僕自身の経験から強く感じていることです。
以前、夜中から昼近くまで釣りをしたとき、日が昇ってから暑さで身体に明らかな異変を感じたことがありました。
そのとき手元にあったのが、魚を冷やすために持っていた氷でした。
釣りをやめて休み、氷を使って首や脇などを冷やしました。
もちろん「氷があれば釣りを続けていい」という話ではありません。
体調に異変を感じたら釣りを中止し、涼しい場所へ移動することが優先です。
ただ、それ以来僕にとって夏のクーラーボックスは、魚だけのための箱ではなくなりました。
魚を持ち帰るため。
冷たい飲み物を入れておくため。
そして万が一のとき、自分を冷やせるものを持っていくため。
夏の海では、どれも大切な役割だと思っています。
持ち帰ったら早めに冷蔵庫へ
家へ着いたら、クーラーボックスに入れたままにせず、できるだけ早く冷蔵庫など適切な低温環境へ移します。
厚生労働省も家庭での食中毒予防として、魚などの生鮮食品は購入時から保冷剤や氷を利用して持ち帰り、低温で保存することを勧めています。
釣った魚も食べる以上は食品です。
釣り場で丁寧に処理したから安心と考えず、家に着いた後の温度管理や衛生にも気を配りましょう。
45cmのキジハタを持ち帰った日
真鶴でボートロックフィッシュに挑戦した日、僕は約45cmのキジハタを釣ることができました。
ずっと狙ってきた魚だっただけに、掛けた瞬間やロッドの曲がりはもちろん覚えています。
でも、持ち帰って食べる魚だからこそ、釣り上げたところでその日の釣りが終わるわけではありません。
海から家まで、できるだけいい状態で持ち帰る。
それも、一匹の魚を持ち帰ると決めた釣り人ができることのひとつだと思っています。

まとめ|釣った魚を家まで持ち帰るところまでが釣り
魚を釣るために、僕らはたくさん準備をします。
ロッドを選ぶ。
リールを選ぶ。
潮を調べる。
リグを組み、ワームを選び、海底を想像しながら何度もキャストする。
そしてようやく出会えた一匹を持ち帰ると決めたなら、その魚をどう家まで連れて帰るかまで考えておきたい。
締める。
必要に応じて血を抜く。
できるだけ早く冷やす。
そして、冷えた状態を保って持ち帰る。
釣れた瞬間だけではなく、その魚を家まで無事に持ち帰るところまで。
それもまた、海の帰り道の一部なのだと思います。


コメント