ショアジギングのロッドを選ぶなら、できるだけ強い方が安心。
以前の僕には、どこかそんな感覚があった。
重いジグを投げられる。大きな魚にも対応できる。強いロッドなら、できることも増える。
確かに、それは間違いではないと思う。
でも実際に一日メタルジグを投げ続けてみると、別のことにも気づいた。
使える強さと、自分の釣りに必要な強さは同じではない。
僕はMOBILITY GAME GR IIIの986MHと966MHという2本を持っている。
どちらも型番には「MH」と入っている。
ところがスペックを見ると、986MHは自重269g・ルアーMAX100g。966MHは自重162g・ルアーMAX45g。
そして実際に使ってみても、その性格はかなり違った。
現在、僕がライトショアジギングで基本にしているのは966MHの方だ。
この記事では、一般的なショアジギングロッドの長さや硬さの考え方と一緒に、なぜ僕の中で986MHから966MHへ役割が移っていったのかを書いてみたい。
なお、ロッドだけでなくリール・PEライン・リーダー・メタルジグまで含めてショアジギングの道具を一通り考えたい場合は、「ショアジギングのタックルはどう選ぶ?ロッド・リール・PE・メタルジグの基本」にまとめている。
ショアジギングロッドはM・MH・Hのどれを選ぶ?
ショアジギングロッドには、M、MH、Hなどさまざまなパワー表記がある。
大まかには、MからMH、Hと進むほど、より重いルアーや強い魚へ対応するモデルが増えていく。
ただし、ここで注意したいのが、「MHならどのロッドも同じくらいの強さ」というわけではないことだ。
メーカーやシリーズ、そもそものロッドの用途によって、同じMHという表記でも適合するルアー重量やロッド自体の重さは大きく変わる。
そのため、MやMHという文字だけを見るより、実際のルアーウェイトやPEラインの適合範囲、ロッドの自重まで確認した方がいい。
M|20〜40g前後を中心に使うライトショアジギングなら有力
Mクラスは、比較的軽いメタルジグを中心に使うライトショアジギングで選びやすい。
モデルによって違いはあるものの、20〜60g程度までを扱えるロッドも多く、堤防やサーフから小〜中型青物を狙う釣りとの相性がいい。
ロッド自体も比較的軽いモデルを選びやすいため、一日キャストを繰り返す釣りでは大きなメリットになる。
MH|40〜60g以上や、より強い魚まで考えるなら候補
もう少し重いメタルジグを使いたい場合や、中〜大型青物まで視野に入れるならMHクラスが候補になる。
実際のショアジギング専用ロッドを見ると、20〜80gや40〜80g程度のジグを扱うMHモデルもある。
磯などで魚に主導権を渡したくない場面でも、強いバットは大きな武器になる。
ただし、そのパワーが自分の釣りに本当に必要かは別の話だ。
H|大型青物や重いジグを本格的に使う釣りへ
Hクラスになると、さらに重いジグや大型青物を意識したモデルが中心になってくる。
60〜100gクラスのメタルジグを使うような釣りでは頼もしい一方、20g前後の軽いジグを中心に使う人には、必要以上の強さになる可能性もある。
結局のところ、ロッドのパワーは「大きな魚が掛かったら怖いから」で決めるより、普段何gを一番多く投げるのかから考える方が分かりやすいと思う。
20g・30g・40gをどう使い分けるかについては、「ショアジギングのメタルジグは何g?僕が18gから投げる理由」で詳しくまとめている。
ショアジギングロッドの長さは9〜10ft前後が基準
ショアジギングでは9〜10ft前後のロッドが多い。
長いロッドは遠投しやすく、高い足場や波打ち際でもラインを扱いやすい。一方で、長くなるほど取り回しや重量面では不利になりやすい。
堤防やサーフで飛距離を求めるなら10ft前後は使いやすいし、取り回しとのバランスを求めるなら9ft台も有力になる。
僕が現在使っている966MHも約9.6ft。
飛距離を確保しながら、長すぎない。そのバランスも今の釣りには合っている。
同じMHでもまったく違った、986MHと966MH
僕がロッド選びについて改めて考えるきっかけになったのが、MOBILITY GAME GR IIIの986MHと966MHだった。
名前だけを見ると、どちらもMH。
でも実際のスペックを並べると、かなり違う。
| 966MH | 986MH | |
|---|---|---|
| 全長 | 289.8cm | 295cm |
| 継数 | 6本 | 6本 |
| 仕舞寸法 | 54.5cm | 55.7cm |
| 自重 | 162g | 269g |
| ルアーウェイト | MAX45g | MAX100g |
| 適合PE | MAX2.0号 | MAX3.0号 |
特に大きいのが、自重の差だ。
162gと269g。その差は107gある。
966MHはライトショアジギングにも対応するモデル。一方の986MHは80g程度のメタルジグを使い、中型から大型回遊魚まで狙うことを想定したロッドだ。
同じMHという文字が付いていても、そもそも想定されている釣りが違う。
今振り返れば当然なのだけれど、実際に海で使ったことで、その違いをはっきり理解した。
986MHなら、できることは確かに多かった
986MHのルアーウェイトはMAX100g。
重いメタルジグも投げられるし、強い魚にも余裕を持って対応できる。
ショアジギングだけでなく、僕がやるハタ釣りや重めの仕掛けまで考えると、この強さには魅力があった。
「一本でいろいろできる」という意味では、かなり頼もしいロッドだと思う。
でも、御幸の浜で実際にメタルジグを投げ続けてみた。
そのとき感じたのが、僕の今のショアジギングには少し強すぎるかもしれないということだった。
もちろん、その日は以前痛めた右手の影響もあったので、疲労感のすべてをロッドだけのせいにはできない。
それでも、その後あらためて考えても、18〜40g前後のジグを中心に投げ続ける僕の釣りにMAX100gのロッドが必要なのか、という疑問は残った。
「投げられる」と「投げ続けたい」は違った
ここが、実際に使ってみて一番大きかった気づきかもしれない。
ショアジギングでは、一度投げて終わりではない。
投げる。沈める。動かす。回収する。
そしてまた投げる。
それを何十回、何百回と繰り返す。
だからロッド選びでは、最大何gを投げられるかだけでなく、普段使うジグを何時間投げ続けられるかも重要になる。
強いロッドには強いロッドの役割がある。
でも、その余裕をほとんど使わないのであれば、その強さは自重や扱いづらさとして返ってくることもある。
986MHを使ったことで、僕はそこに気づいた。
現在の答えが966MHになった
そこで現在、僕がライトショアジギングで基本にしているのが966MHだ。
自重162g。ルアーウェイトはMAX45g。
メーカー上もプラグだけでなく、メタルジグを使ったライトショアジギングに対応している。
僕がよく使う18g前後のメタルジグから、もう少し重いジグまでカバーできる。
そして986MHと比べて100g以上軽い。
今の僕がやりたいショアジギングには、この方が合っていた。
実際、杉田で966MHに25アルテグラ4000XGを合わせ、18gのメタルジグを投げていたときには30cmほどのショゴも釣ることができた。
もちろん、一匹釣れたからこのロッドが「正解」という話ではない。
ただ、自分が普段投げたい重さを扱いやすく、実際に狙っている魚ともやり取りできた。
今の僕にとっては、それで十分だった。
966MHなら、ショアジギングの先にハタ釣りもある
966MHを使っている理由は、ライトショアジギングだけではない。
僕は普段ハタも狙うので、一本のロッドを持って海へ行き、メタルジグで広く青物を探りながら、根や地形が気になればハタを狙う釣りへ切り替えられることにも魅力を感じている。
もちろん、ショアジギングとハタ釣りではロッドに求めるものが完全に同じではない。
それでも、使うルアーやリグの重量、釣り場、狙う魚を考えたとき、その範囲が重なるなら一本を兼用することはできる。
「青物を狙ってショアジギングを始めたけれど、ボトムや根の周りも面白そうだ」と感じたなら、そこからハタ釣りへ広がっていくのも海釣りの面白さだと思う。
僕がショアジギングとハタ釣りを一本でこなすロッドについて考えたことは、「ハタ釣りとショアジギングを一本でこなすロッド」についての記事にまとめている。
ハタ釣りそのものをやってみたい場合は、キジハタ釣りの仕掛け・釣り方・ポイントをまとめた完全ガイドから入ると全体像をつかみやすい。
986MHが不要になったわけではない
では、986MHは選択を間違えたロッドだったのか。
そうは思っていない。
僕の中で役割が変わっただけだ。
MAX100gまで扱える986MHの強さは、重い仕掛けを使いたいときにはむしろ大きなメリットになる。
そのため現在は、ショアジギングで一日振り続けるロッドというより、重めの仕掛けやぶっ込み寄りで使う方向にしている。
966MHはライトショアジギングとハタ。
986MHは、さらに重いものを扱いたい釣り。
二本持ったことで、むしろそれぞれの得意な仕事が見えてきた。
初心者がショアジギングロッドを選ぶなら何を見る?
僕自身の経験も踏まえると、最初の一本を選ぶときは次の順番で考えると分かりやすいと思う。
- 普段投げるメタルジグの重さ
- 堤防・サーフ・磯などの釣り場
- 狙う魚のサイズ
- ロッドの自重と、一日振り続けられるか
- 必要な飛距離と取り回し
特に一番目の「普段投げる重さ」は重要だと思う。
20〜40g前後が中心なのに、100gまで投げられるロッドを選ぶ必要があるのか。
逆に60〜80gを頻繁に投げたいのに、MAX45gのロッドでは足りない。
最大値ではなく、自分が最も長く使う範囲を中心に考える。
その方が、実際の釣りでは使いやすいロッドに出会いやすいと思う。
僕の現在の使い分け
現在の僕の使い分けは、かなりシンプルになった。
- MOBILITY GAME GR III 966MH:ライトショアジギング+ハタ釣り
- MOBILITY GAME GR III 986MH:重めの仕掛け・ぶっ込み寄り
ショアジギングでは966MHに25アルテグラ4000XG、PE1.2号、リーダー25lbを合わせるのが現在の基本セットだ。
タックル全体の組み方については、「ショアジギングのタックルはどう選ぶ?ロッド・リール・PE・メタルジグの基本」にまとめている。
リールの4000番とC5000番の違いについては、「ショアジギングのリールは4000番とC5000番どっち?僕が4000XGを使う理由」で詳しく整理した。
PE1.2号と1.5号の使い分けについては、「秋のショアジギングでPE1.2号を使う理由」にまとめている。
まとめ|強いロッドではなく、自分が振り続けたいロッドを選ぶ
986MHを買ったとき、MAX100gまで投げられる強さは大きな安心感だった。
実際、その強さが必要な釣りでは頼もしい。
でも、僕がショアジギングで実際に投げているのは18〜40g前後が中心だった。
そこで一日投げ続けてみて、初めて気づいた。
ロッドの余裕は、大きければ大きいほどいいわけではない。
必要な強さを持ちながら、自分が使うジグを気持ちよく投げ続けられること。
今の僕にとって、その答えが966MHだった。
この先もっと重いジグを投げ、大型青物を本格的に追うようになれば、答えはまた変わるかもしれない。
でも、それでいいと思う。
海で実際に使ってみて、自分の釣りが変われば、道具の役割も変わっていく。
僕にとってロッド選びは、スペック表の中から一度だけ正解を選ぶことではなく、そんなふうに少しずつ答えを見つけていくことなのかもしれない。


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