荒久の灯台の向こうから、朝日が昇っていた。
まだ薄暗いうちに海へ来たはずなのに、気づけば空は赤く染まり始めている。
2026年10月4日。
この日は、小田原の御幸の浜へ来た。
狙っていたのは、沖に沈んでいる人工リーフの周辺。
もしかしたら、そこにハタがいるんじゃないか。
そんな仮説を確かめるための朝だった。
結果から言えば、本命には会えなかった。
釣れた魚も、20cmほどのカサゴが一匹だけ。
それでも初めて立った海には、次にもう一度来たくなる理由がいくつも残っていた。
そして何より、朝焼けがとても綺麗だった。

荒久の灯台を目指したけれど
現地に着いたのは5時過ぎ。
当初は、そのまま荒久の灯台付近へ入るつもりだった。
ところが、すでに先行者がいた。
ぶっ込み仕掛けの竿が3本。
これではさすがに入れない。
少し考えて、灯台から西へ100mほど移動したサーフに入ることにした。
予定していた場所とは違う。
でも、海の中はつながっている。
この辺りの沖にも、何かしら地形変化があるかもしれない。
そんなことを考えながら、5時過ぎに釣りを始めた。
御幸の浜の沖にある、見えない地形を探す
御幸の浜には、過去に整備された人工リーフが沖に沈んでいる。
ただし当然、岸から海面を眺めているだけでは、その形までは見えない。
だから実際に投げて、底を取って、自分の手で探してみる。
使ったのは、18gのメタルジグ。
ロッドはMOBILITY GAME GR III 986MH。リールは25アルテグラ4000XG。PE1.5号にリーダー25lbという組み合わせだ。

何度か投げてみると、底はずっと同じではなかった。
基本的には砂地。
でも、その中に明らかに根の荒い場所が点在している。
特に岸から20〜30mほどの場所にはかなり激しい根があり、ここでは何度も根掛かりした。
さらに沖にも、沈みテトラなのではないかと思えるほど底の荒い場所があった。
海面を見ていても、その付近だけ横一直線に波が立ち上がることがある。
「たぶん、あの辺りに何かある。」
もちろん、僕が投げていた場所が人工リーフそのものだったのかは分からない。
それでも、砂だけではない明確な地形変化が沖にあることは、ロッドを通して感じられた。
日の出の頃、18gのジグに小さな反応
この日の小田原は、4時12分が干潮。
僕が釣りを始めた5時過ぎには、すでに潮は上げ始めていた。
日の出は5時40分ごろ。
空が明るくなっていく中、沖の根が荒い場所へ18gのメタルジグを投げ続けた。
すると、ときどき小さなアタリが出る。
大きな魚がひったくるようなものではない。
それでも、何もいない海を投げている感覚ではなかった。
そして6時前後。
18gのメタルジグに、今度はしっかり魚が乗った。
上がってきたのは、20cmほどのカサゴ。

狙っていたキジハタではない。
でも、沖の見えない地形を探しながら投げて、その先から根魚が返ってきた。
初めての場所で釣れた一匹としては、ちょっと嬉しかった。
突然始まったボイル。でも、すぐに海は静かになった
カサゴが釣れたあと、今度は目の前の海面が騒がしくなった。
何かがボイルしている。
一度ではなく、3〜4回。
魚種までは分からなかったけれど、目の前で水面が割れれば当然メタルジグを投げたくなる。
急いでキャストする。
でも、届いた頃には沈んでしまう。
また出る。
投げる。
また沈む。
結局、その正体を見ることはできなかった。
そして、その短い時間が終わると海は静かになった。
たまにボラが高く跳ねるくらい。
さっきまでの気配が嘘だったように、穏やかな時間が続いた。
そうだ、フリサバを試そう。……鯖がない
メタルジグで届く場所には魚の反応がある。
なら、根魚狙いでもう少し丁寧に探ってみたい。
そう思った。
こういうときのために、僕にはフリサバがある。
フリーリグにサバの短冊を組み合わせて、底をじっくり探る。
……はずだった。
鯖を忘れた。
家に。
ここまで御幸の浜の地形を調べ、人工リーフの位置を考え、メタルジグまで用意してきたのに。
肝心の鯖がない。
サバ短冊を散々使ってきた人間として、これはなかなか痛い忘れ物だった。
仕方なくワームも試してみたものの、今回持ってきたものでは空気抵抗が大きく、狙っている沖の場所まで十分に届かない。
潮が満ちてくるにつれて、沖の地形変化を狙うにはさらに飛距離が欲しいと感じるようになった。
次に来るなら、ここはもう少し考えておきたい。
986MHを振り続けて、966MHの良さに気づいた
今回、もう一つ大きかったのがロッドの印象だった。
使ったMOBILITY GAME GR III 986MHは、最大100gまで背負えるパックロッドだ。
これまでは、986MHをショアジギング寄り、966MHをロックフィッシュ寄りに使い分けようと考えていた。
でも今回、18gのメタルジグを何度もキャストしてみて、その考えが少し変わった。

正直、僕には少し重い。
特に今回は、前回の真鶴釣行で痛めた右手がまだ完全には戻っていない。
その状態で長時間振り続けるのは、かなりしんどかった。
だから、この一回だけで986MHそのものを「重すぎるロッド」と評価するつもりはない。
ただ、手が治ったとしても、18〜30g前後を長時間投げ続ける釣りでは、今の僕には966MHの方がバランスよく感じると思う。
前回、杉田で966MHに18gのメタルジグを合わせたときは、30cmほどのショゴを釣るところまで含めてかなり気持ちよく使えた。
それと比べることで、むしろ966MHの良さがはっきりした。
今のところ僕の中では、986MHは重い錘を遠投するぶっ込み釣りなど、最大100gという強さを活かす用途。
966MHはロックフィッシュとライトショアジギング。
そんな棲み分けの方が、自分の釣りには合っている気がしている。
スペック表を見ているだけでは分からなかった。
海で何度も投げてみて、初めて変わった見方だった。
9時まで粘って、カサゴ一匹
その後も場所を探りながら投げ続けた。
でも、追加の魚は出なかった。
9時ごろ、納竿。
この日の釣果は、6時前後に釣れたカサゴ一匹だけ。
キジハタはいなかった。
正確には、「今回の僕には見つけられなかった」。
でも、もう一度来てみたいとは思った。
沖には確かに地形変化を感じる場所があった。
そこでは小さなアタリもあった。
根魚も一匹返ってきた。
今回は届かなかったワームも、仕掛けや重さを変えれば届くかもしれない。
そして次は、鯖も持ってくる。
この日の記録
| 釣行日 | 2026年10月4日 |
|---|---|
| エリア | 神奈川県小田原市・御幸の浜(荒久の灯台から西側のサーフ) |
| 実釣時間 | 5時過ぎ〜9時ごろ |
| 釣果 | カサゴ 約20cm×1 |
| 釣果時刻 | 6時前後 |
| ヒットルアー | 18gメタルジグ |
| 潮汐 | 4:12干潮(43cm)後の上げ |
| 日の出 | 5:40ごろ |
| ロッド | MOBILITY GAME GR III 986MH |
| リール | 25 ULTEGRA 4000XG |
| ライン | PE1.5号 |
| リーダー | 25lb |
| 底質 | 砂地を基本に根が点在。岸から20〜30m付近にも強い根あり |
| その他 | 沖の荒い場所付近で小さなアタリ数回。朝にボイル3〜4回 |
釣れた日も、釣れなかった日も
帰る前に、もう一度海を見た。
朝のうちに何度か起きたボイルも、もうない。
ときどき遠くでボラが跳ねるだけで、海はすっかり静かになっていた。
この日、持ち帰れるような釣果はなかった。
本命にも会えなかった。
それでも、初めての海で見えない根を探して、ひとつ魚を見つけた。
使っていたロッドへの見方も少し変わった。
次に試したいこともできた。
そして、振り返れば荒久の灯台の向こうから朝日が昇っていた。
釣れたのは、カサゴ一匹。
でも、持ち帰ったものはそれだけじゃなかった。
次にこの海へ来るときは、もう少し沖の地形をうまく探れる気がする。
そしてそのときは。
鯖だけは、忘れないようにしたい。


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